どうやってステロイドがいらない肌になるのか?アトピー治療の順序
アトピー性皮膚炎の治療に欠かせない薬のひとつであるステロイド外用薬。
今現在ステロイドの外用薬を使ってお子さんのアトピー性皮膚炎を治療中のママ・パパの中にはこんな不安や疑問を持たれている方もいらっしゃるかもしれません。
一体いつまでステロイドを使えばいいのかな?
いつの日かステロイドなしでも大丈夫な肌になるのかな?
どうやってステロイドを減らしていけばいいのだろう?
今回はそんな疑問にお答えすべく(?)ステロイドの外用薬を使ったアトピー性皮膚炎の治療の過程をまとめてみようと思います。
正常な肌とアトピー性皮膚炎の肌はどう違うのか?
治療の工程を説明していく前に、まずはアトピー性皮膚炎の肌と正常な肌の違いを知ってもらいたいと思います。
まず正常な皮膚、これには刺激に負けないバリアがあります。
一方、アトピー性皮膚炎の皮膚はこのバリアが破壊されているため、正常な皮膚と違ってすぐに刺激に負けてしまい炎症やかゆみが肌に出てしまいます。
川に例えるなら、正常な肌の場合は堤防が川の水をせき止めてくれているが、アトピー性皮膚炎の場合は堤防が崩壊しているために川の水が氾濫している状態と考えればいいでしょう。
バリアの修理を手伝ってくれるのがステロイド
この破壊されたバリアの修復を手伝ってくれるのがステロイドの外用薬です。
まず、薬を使って堤防を修理し、川の水の氾濫を止めるというわけです。
それと同時に、入浴方法や石鹸、保湿剤などを用いたスキンケア、そして布団のお手入れやお掃除でアトピーが悪化する因子を取り除く対策を行っていきます。
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最終的には保湿剤だけで大丈夫な肌に
ステロイドの外用薬を一定期間使うと、肌はいったんある程度きれいな状態になります。
しかし、ここの時点ではあくまでまだ薬で堤防ができているだけに過ぎません。
ですので、間違えてもこの時点でステロイドの外用薬の治療を自己判断でやめてはいけないのです。
ステロイドの外用薬はきれいな皮膚状態を維持しながら徐々に減らしていかなければいけません。
ステロイドでアトピーの症状をおさえたら、そこでステロイドをパッとやめてしまうのではなく、ステロイドの強さを弱めるか、使用の間隔を少しずつ開けながら使用を続けなければいけません。
そうしなければ、結果的にもっと強いステロイドを使わなければいけなくなったり、治療が長期に及んだりする危険性があります。
このへんの理由についてはこちらの記事で詳しく書いておりますので、よかったら読んでみてください(^^)
→「ステロイドの塗り薬は怖い」の大きな誤解!正しい知識で正しい治療を
ステロイドの外用薬を減らしていく(または弱めていく)過程の判断は素人では難しいですので、けっして自己判断せずに主治医の先生の指示に従って進めてくださいね。
実は、この期間がアトピーっ子の親御さんにとって一番辛いときだとアレルギー科の先生にお聞きしたことがあります。
ある程度きれいな状態に肌がなっているのに、それでもステロイドを使わなくてはいけないからです。
「しかし、ここを我慢すれば人生トータルで使用するステロイドの量は逆に減らせる」
私自身この言葉を聞いていたので、息子のアトピーがある程度おさまっている状態でステロイドを使い続けることに抵抗がありませんでした。
もし、この言葉を聞いていなければ、きれいな肌にステロイドを使い続けることに抵抗や不安を持っていたかもしれません。
この時期を乗り越え、保湿剤だけで大丈夫な肌になるのがアトピーっ子の最終的な目標地点となります。
あとこれは予備知識ですが、ステロイドの外用薬を使うと赤く炎症していた部分がおさまりを見せて茶色っぽくなります。
一見完全に治ったかのように見えますが、実はこれはまだ炎症がくすぶっている段階。
小さな火種がまだ残っている状態なんです。
ですので、茶色の部分にもきちんとステロイドを塗ってあげることをおすすめします(^^)
ステロイドを減らしていった過程【息子ちゃおずの場合】
うちの息子の場合ですが、生後数ヶ月で「アトピー性皮膚炎」とはっきり診断されステロイドの外用薬を使い始めました(それまではワセリンなどの保湿剤だけでケアしていました)。
最初のうちはステロイドの外用薬になんとなく怖いイメージを持っていましたが、ステロイドの塗り薬のことを勉強するうちに自分の中の「怖い」とイメージがなんの根拠もないものだということがわかりました。
そして、いつの日かステロイドを手放せることを信じてしっかりと使うことを決意しました。
そして、ついに息子が3歳に入ってすぐのときに主治医の先生から「ステロイドの量を減らしていって大丈夫だよ」と言われました(^^)
今ではステロイドの外用薬は補助的に使い、保湿剤だけのケアをベースにやっていけるまでになりました。
一番アトピーの炎症がひどかった背中もこの通りきれいになりました。
お顔もツルツルです(^^)
アトピーは季節などで波があり、まだまだ完全にステロイドの塗り薬を手放すことはできませんが、ステロイドが一切必要もない日も増えてきて、これは私と息子にとって大きな進歩だと思っています。
ステロイドの塗り薬で現在治療中のママ・パパで不安を抱えられている方もいらっしゃるかもしれませんが、いつの日かステロイドなしで生活できる日を信じて適切にステロイドを使ってほしいなと思います(^^)
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[…] 末尾おススメ記事は「どうやってステロイドがいらない肌になるのか?アトピー治療の順序」。非常にわかりやすい上に、患者としての不安も書かれており、寄り添うような文章です。 […]
ここのページを見てなんかすごい楽になりました。
今私は二児の母をしていて
1歳の下の子が生後4ヶ月でアトピー体質と診断されました。今まさに夜中痒くて何度も泣いて起きる日々が続いていて
何もしてあげられない自分が情けなくて悔しくて辛くて夜中涙が止まらない毎日です。明日から実践出来ることがたくさん書かれていて少しずつ始めてみます。
同じ悩みを抱えてるパパママがいるんだなと思い少し楽になりました。
コメントありがとうございます。
返事がかなり遅くなってしまってすみません!
この度は私のサイトを読んで頂いてありがとうございます。気持ちが楽になった、と書いてあって私もこのサイトを作ってよかったなと思いました。
うちの息子も小さい頃は(今も3歳なので十分小さいですが)、かきむしりながら夜泣きしていました。
かかりつけの先生の指導のもときちんとスキンケアをして、お掃除や入浴方法など小さいことをコツコツとやっていきました。
年齢が上がったのもあると思いますが、今では夜中に痒くて泣くことはなくなりました(たまに無言でボリボリ掻いてることはあるみたいですが(^_^;))。
「悩むママ」さんも今はほんと辛い日々だと思います。でも、きっと改善されていきますよ(^^)!!
陰ながら応援しています!!