なぜ子供のアトピーやアレルギーが増えてしまったのか?その原因は何?!

「アレルギー」。
祖父母の時代には、それはどこか遠い世界の言葉だったかもしれません。
しかし、現代ではこの言葉を知らない人はあまりいないでしょう。
それだけ「アレルギー」という言葉は現代では身近なものになってしまったです。
現在、アレルギーの有病率は先進国を中心に増え続けています。
なぜ現代の子供にアトピーや食物アレルギーが増えてしまったのでしょうか?
それには様々な理由が絡み合っており、「これが原因」と断定することは難しいかもしれません。
現段階で原因として考えられていることをまとめてみようと思います。
文明の発展が招いたアレルギー疾患の増加
アレルギーやアトピーが増えた理由を一言で言うならば、それは「文明が発展したから」ではないでしょうか。
ではどのような文明の発達がアレルギー疾患の増加をもたらしたのか具体的に見ていきましょう。
欧米風の食生活への変化
戦後、日本の食生活は大きく変化しました。
白ご飯にお味噌汁、お魚とお漬物、質素で健康的だった日本に欧米の食文化が次々と入ってきました。
上記の記事でも書いた通り、アレルギーやアトピーの改善に良いのは日本食を中心とした食事。
パンを主食とし、油、動物性たんぱくを多様する欧米風の食事によって日本人の腸内細菌の状態が変化したことがアトピー性皮膚炎やアレルギーを増加させた原因のひとつと言われています。
抗生物質の多用
風邪をひいて病院を受診するとお医者様がこんな言葉を言います。
「お熱が高いので抗生剤を出しておきますね」
子供の頃から当たり前のように聞いていることなので、その言葉に違和感を感じる人は少ないかもしれません。
抗生物質は体の中の細菌を殺してくれます。
しかし、同時に人間の免疫機能を整えてくれる常在菌までも殺してしまうものです。
このことから、「風邪の度に抗生物質を飲む」という行為がアトピーやアレルギーを増やしたのではないかという説があります。
ただし、細菌の感染による重大な病気を防ぐために必要と考えられて処方されている場合ももちろんありますので、けっして自己判断で抗生物質を飲まないという選択はしないようにしてくださいね。
住環境の大きな変化
戦後、めまぐるしい経済発展とともに、日本の住居は大きく変化しました。
人々は風通しのいい平屋の家から、気密化したマンションに住むようになりました。
風に流れがこもりやすいマンションではダニやカビが発生しやすいものです。
(うちもマンションなので、ダニ・カビには毎日あくせくしています(^_^;)早く一軒家に引っ越したーい!)
このようなダニ・カビなどのアレルゲンが日々の環境で増えたこともアレルギーの増加の一因です。
また、昔のように「動物を室外で飼う」という家が少なくなり、室内でペットを飼う家庭が増えたことも一因なのでは、と私は考えています。
人々が夜型の生活に変わった
家電や電気の発展とともに人々の生活パターンも大きく変わりました。
昔の人は夜になれば早々と就寝していました。
そりゃそうですよね(^_^;)電気も十分に普及されていないのですから、暗くて活動できないんです。
寝るしかないんです。
しかし、今では電灯をつければ部屋中昼間のように明るくなりますし、テレビも24時間やっている。
外は外でネオンが輝き、ある意味昼以上の活気がある。
このような発展とともに、日本人はすっかり夜型の生活になりました。
数十年前の赤ちゃんと現在の赤ちゃんの平均睡眠時間は何時間も違うんだそうですよ(特に日本はその傾向が顕著なようです)!
夜型の生活は自律神経に悪い影響を及ぼします。
それにより自然治癒の力が低下したのがアレルギー増加に関わっているのではないかと言われています。
アレルギーの知識が広まったからこそ増えた?
これは原因とは少し違いますが、「アレルギーのことが広く知られるようになったからこそ」アレルギーの子が増えたように感じる、というのも一理あるのではないかと私は考えています。
「昔は子供が食事中に口のまわりに蕁麻疹ができても『あらら、卵はまだ早かったのかな。あはは』『このぐらいのじんましんならほっといても治る治る!』なんてみんな気楽に話していたよ」
「いちいち『この子は食物アレルギーあるかな?』なんて気にしてるお母さんはいなかったねえ」
そんな話を祖父母の世代の人からたくさん耳にします。
昔は「子供が鼻たらしてるのは当たり前のこと」なんて言われていましたが、その中にはアレルギー性の鼻水小僧もいたでしょうしね(^^)
そうです、アレルギーの子は昔もたくさんいたのです。
しかし、アレルギー自体が現在のように一般的に認識されていなかった、もしくは気にされていなかったからこそ、「昔はアレルギーの子なんていなかった」と言われるのかもしれません。
もちろん、アレルギーの子が増加したことには間違いはありませんが、時代による親のアレルギーに対する知識の差を踏まえれば、もしかしたら増加率はもう少し緩やかなグラフになるのかもしれません。
今では一般的にも広く知られるようになった「アナフィラキシーショック」も、昔は「子供の突然死」や「原因不明死」で片付けられて、それが食べ物によるアレルギーが原因だったなんて知る由もなかった時代もあったそうです。
このように、アレルギーやアトピーが増えた原因はひとつではなく、様々なことが絡み合っていますし、時代の中で変わってきたことなので個人の注意で大きく変えることが難しい部分もありますが、このような原因を知っておけば、アレルギーっ子の日常の小さなことを変えていける材料になるんじゃないかなと思っています(^^)
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