アレルギー対策を頑張っているママたちへ「忘れたくない2つの言葉」
今回は、私が息子のアレルギー対策をする中で出会った「忘れたくない言葉」を紹介します。
少しでも、アレルギー対策をしているママたち(そしてパパも)の励みになると嬉しいです。
褒められることのないアレルギー対策
その日は、幼稚園が行事の振替休日だったため、私は仕事の休みを取り、息子と二人で過ごすことにしていました。
なぜか休みの日に限って早く起きる息子。
早朝からパワー全開ではしゃいだりグズったり。
朝の保湿剤を塗ろうとすると、「塗らな~~い♪」とおどけながら逃走したり…。
イラっとする気持ちをおさえながら、トムとジェリーのDVDやミッキーマウスのシールの手を借りて、どうにか外に出かける準備を済ませる。
いつものアトピーの薬を出してもらうため、息子と二人ですでに夏の気配のする日差しの中を小児科まで歩く。
小児科に着いた頃には、2歳児のパワーにやられて34歳の私はすでにクタクタ。
「一人で息子の相手をするのってこんなに大変だったっけ?」
仕事をするために幼稚園に預けてからは、その大変さを少し忘れていた。
疲れ顔のまま診察室に入る。
息子が1歳のときに引っ越し、この病院に通うようになった。
この病院に通い続けているのは、アレルギーへの理解と適切な指導、そして何よりも親身になって話を聞いてくれる最高のドクターだと思っているからだ。
「どうですか?ちゃおず君のアトピーの調子は」
先生のいつもの質問。
「はい、ここ2週間ほどすごく調子が良くて、ステロイドを使う箇所は少ないです。それ以前は少し肌の状態が悪化していました。アトピーはよく夏と冬にひどくなると聞きますが、うちの場合は花粉から影響受けることの方が大きいようで、春と秋の花粉の時期に必ず悪化するようです」
「うん。そうでしょうね。アトピーは花粉に影響受けやすいからね。その時期が過ぎるといったん状態が落ち着くもんね」
やっぱりそうなんだな~、とぼーっとしている私に向かって先生が言葉を続けた。
「でもね、ちゃおず君の肌がいい状態になったのはお母さんが頑張ったからというのもあるよ。
ちゃおず君のアトピーのパターンをお母さんがよく観察して、適切に薬を塗ってあげたから。
アトピーの改善はね、子供が大きくなって強くなったからというのももちろんあるけど、お母さんが日々子供のことをよく見てあげて対処してあげたからというのも大きな理由。
お母さんと子供のチームワークがうまくできている証拠だよ。
ちゃおず君の一番近くにお母さんという一番いいお医者さんがいるという状態を作れてるんだと思いますよ」
私は先生のその言葉を聞いてしばらくポカンとしていた。
先生の隣にいる看護師さんの方を見たら、笑顔で「うん、うん」と頷いていた。
あれ?
褒められた?
先生は普段からとても優しく、親身になって患者に接してくれるタイプなので、この言葉はそんなに意外なものではなかったかもしれない。
でも、褒められると思っていなかった私は驚いてしまった。
だって、子供のアレルギーの対策をしていて、人から褒められることって実はあんまりない。
「大変だね」
「きついね」
その大変さに同情してくれる人はたくさんいるし、それはとてもありがたい。
でも、褒められることはあんまりないから、
「子供のアレルギーは改善してあげて当たり前、悪くしたら私のせい」
そんな思いがいつの間にか私の中に芽生えていた。
でも、本当はそうじゃない。
子供のアレルギーを改善するのは本当はとてもすごいこと、とても大変なこと。
先生の言葉がそのことに気づかせてくれた。
私を支えてくれるもうひとつの言葉
診察室を出た私は、もうひとつの言葉を思い出していた。
それは、息子を産んでからというもの、ずっと私を支え続けてくれた言葉。
息子を産んだばかりで子育てが不安だらけだったときに、義妹(義妹は年下ですが、ママとしては私よりも何年も先輩です)が私にメールしてくれた言葉だ。
「お姉ちゃん、私も上の子が小さい頃、『100%良い母親でいよう』と必死でした。
でも、あるとき科学系のテレビ番組で『どんなに気合いを入れても、自分を追い込んでも人間の集中力が本当に続くのは30分だけ』というのを観て、思ったんです。
そっか、母親も父親も波があって当然なんだ、って。
失敗して落ち込んだり、イライラして怒ったり、でも次は成功して嬉しかったり…。
そういう波があっていいんだって、色んなこと空回りしながら気づいたんです。
だから、もし、子供や家族にしてあげたことが間違っていたとしても、全部無駄はないということ。
どうか自分とちゃおず君を信じてみてください」
病院の待合室で会計を待っている間、先生の言葉と義妹の言葉が妙にシンクロして私は不思議な気持ちに包まれていた。
そうだな。
私も夫も、息子のアレルギーのこと、十分に頑張ってる。
もちろん失敗もあるし、アレルギーのことを面倒に感じたこともある。
でも、その度に夫婦で息子のアレルギーにちゃんと向き合い対処してきた。
気軽に外食できなくて寂しい思いをしたり、息子に蕁麻疹が出ないかドキドキしながら過ごしたり、毎日の掃除にうんざりしたり…、そういうことはこれからも続いていくだろう。
でも、その思い出にきっと無駄はない。
楽しい思い出はもちろん、辛い思い出、大変だった思い出、そんなことを含めて息子と私と夫は家族なのだ。
すべてをひっくるめて家族の思い出なんだ。
まとまりはないけれど、そんなことを考えて、私は息子のアレルギーのことをすべて肯定できた気がした。
早朝から息子に振り回された疲れは不思議と吹き飛んでいた。
これからもしばらくの間は、息子のアレルギー対策をする日々は続いていくだろう。
だけど、この2つの言葉がいつまでも私を支え続けてくれるだろう。
私と同じくお子さんのアレルギーの対策を日々頑張っているママたちへ。
ママがしていることに、きっと無駄はないです。
辛いことも大変なことも、いつかきっと笑って振りかえれるときが来ると思います。
ママは子供の一番いいお医者さんです。
自分とお子さんを信じて。
心から応援しています。
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