アナフィラキシーとは?原因や対応、治療法について知っておこう
最近テレビなどでもよく耳にするようになった「アナフィラキシー」という言葉。
アレルギーっ子のパパ・ママなら知っておきたい大切なことです。
アレルギーの危険な症状、アナフィラキシーについてまとめてみました。
アナフィラキシーとアナフィラキシーショックとは?
アレルゲンを食べた後(または接触の後)、全身にわたって急速にアレルギー反応が起こることをアナフィラキシーといいます。
アナフィラキシーは、アレルギー症状が蕁麻疹などの皮膚症状にとどまらず、呼吸器や消化器など複数の臓器がいっせいに反応して劇的な症状現れます。
さらに、血圧が下がり、様々な臓器が機能不全に陥り、意識障害などの全身症状が急速に悪化してしまう症状をアナフィラキシーショックといいます。
これは命に関わる非常に危険な状態であるため、早急に手当する必要があります。
アナフィラキシーにはアレルゲンと接触したあと二時間以内に現れる「即時型」と、それ以降に出る「遅発型」があります。
アナフィラキシーは少量のアレルゲンでも起こる
アレルゲンを大量に食べなくても、ごく少量触れただけでアナフィラキシーショックは起こります。
例えば、牛乳アレルギーの子が兄弟が牛乳を飲んだコップをきれいにゆすいでからお茶を飲んだにもかかわらず、わずかに残っていた牛乳のしずくによりアナフィラキシーを起こすなどのケースもあります。
かかりつけの小児科の先生のお子さんは、卵を含んだクッキーをペロッとなめただけであっと言う間に呼吸困難になったそうです。
アナフィラキシーの原因になるものは?
テレビなどでアナフィラキシーショックについてのニュースを観る機会が増えたため、食べ物によるアナフィラキシーは一般にもよく知られているものだと思います。
食物アレルギーのうち重症型のアレルギーが起きるリスクが高い食べ物としては卵、ピーナッツ、そばが挙げられます。
しかし、アナフィラキシーを引き起こすのは何も食物だけではありません。
食べ物の他にも薬物、虫刺され(ハチ)、天然ゴム、ワクチンなどもアナフィラキシーの原因になり得るものです。
特に食物アレルギーのある子は、薬やワクチンに含まれる微量の卵成分や乳成分に反応してしまう恐れがあるため注意が必要です。
卵アレルギーに関連のあるワクチンや薬については下記の記事を参考にされてください。
→卵アレルギーと予防接種の関連性とは?【インフルエンザワクチン編】
→卵アレルギーと予防接種【麻疹・風疹(MR)編】
→卵アレルギーと予防接種【おたふく風邪(ムンプス)編】
乳アレルギーに関しては、カゼインという成分が薬に使われていることがあるので注意が必要です。
食物アレルギーのあるお子さんは、薬の処方や予防接種を受ける際に、アレルギーがあることを必ず医師に伝えるようにしてください。
子供がアナフィラキシーを起こしたらどう対応すればいい?
アナフィラキシーが起きてしまったら、一刻も早い手当が必要です。
まずはすぐに救急車を呼びましょう。
下記は救急車が到着するまでに行う応急処置の手順です。
状況悪化を防ぐために正しい応急処置の仕方を覚えておきましょう。
口の中をすすがせる。
ただし、意識がない場合は無理にする必要はありません。
②あおむけに寝かせる。
血圧が低下してぐったりしているときは、布団や座布団などで足の位置が15~30cmほど高くなるような姿勢をと取らせ血液循環を促す。
③意識がないときは、窒息防止のため、あおむけに寝かせたまま下あごをもちあげ頭を軽く反らせるようにして気道を確保する。
万が一、救急車が到着する前に容態が回復しても、必ず病院で治療を受けさせるようにしてください。
アナフィラキシーの応急処置「エピペン」
アナフィラキシーを起こしたことがある、あるいはその危険性が高いと判断された場合は、緊急用の自己注射「エピペン」などが処方されます。
アナフィラキシーに気づいたら可能な限り早い段階でエピペンを使うことで重症化を防ぐことができます。
※エピペンは体重15kg未満の幼児には処方されません。
※エピペンはあくまで応急処置にすぎません。使用した後は速やかに医療機関での治療が必要です。
アナフィラキシーの治療法はあるの!?
アナフィラキシーの予防法は、原因となるものを食べない・接触しないことが基本となります。
ただ最近では減感作療法という新たな治療法も試みられています。
減感作療法とは?
これはアレルギーの原因物質を少量ずつ体に入れることによって、体を慣らし、アレルゲンに対する感じやすさを減らすという治療法です。
減感作療法がうまくいけば、アナフィラキシーを起こす原因となっていたものでも反応を起こさなくなっていきます。
ただし、アレルゲンの注入で激しい症状を起こす危険性が伴う治療法ですので、必ず専門の医師の判断と監督のもとで実施しなければいけません。
アナフィラキシーは、アレルギーを持っている子の親なら誰もが無関係なものではありません。
私もまだまだ勉強不足ですが、これからもアナフィラキシーの色んな情報を伝えていけるように頑張ろうと思います!
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